青年文化論 of 青山学院大学 杉谷ゼミナール


In order to design the future,
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青山学院大学教育人間科学部教育学科 杉谷研究室は、
新たな高等教育のあり方を探求するゼミです。

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青年文化論/発達文化論(青山キャンパス開講科目)

杉谷 祐美子
3~4年対象 前期2単位

副題/Subtitle

「青年期・学生文化・大学の変容と現在」 
授業の到達目標及びテーマ/Course objectives and Theme
  この授業では、青年期にあたる大学生についてより深く理解するために必要な基礎的知識を学びます。また、ディスカッションやコメントなどを利用して、他者との意見交換を重ねながら、青年期や大学生の特質および社会との関わりについて、履修者のみなさんが考察を深めることに重点をおいています。
  この授業を通じて、学生のみなさんが各時期の学生像を相対化してとらえ、あらためて、「大学生」である自分自身と日常生活の場である「大学」の存在を見つめ直してもらうことが到達目標です。自らにとっての大学の意味を考え、今後の自分のあり方について考える契機にしてもらえればと思います。

講義概要/Course description

  人間の発達を理解するには、心理的現象面にとどまらず、各人を取り巻く社会的・文化的文脈の影響にも着目することが重要です。とりわけ、発達段階における「青年期」のとらえ方や社会での位置付け、青年期のアイデンティティ形成のあり様は、社会の急激な変化と教育機会の拡大にともない大きく変化してきたといわれています。
  この授業では、青年期の只中にある「大学生」に焦点をあてます。戦後日本社会における学生像、学生集団が固有にもつ文化、そして、大学と学生との関係性について、その変容をたどりながら、現代の学生と大学を読み解くことを目的としています。授業は3部構成になっており、(1)青年期の特質と学生文化の諸類型を概観し、(2) 戦後の大学生像を時系列的に検討したうえで、(3) 現在の大学生の意識と行動、大学の存在について、勉強、サークル、アルバイト、就職など多様な観点から考察します。

授業計画/Lecture plan

1. オリエンテーション
2. 青年期と大学
3. 教育機会の拡大と学生文化の変容
4. 旧制高校と教養主義
5. 新制大学における青春
6. 旧世代との断絶
7. 対抗文化の台頭と翳り
8. 大学のレジャーランド化
9. 勉強文化の衰退か回帰か
10. 新入生にとっての高校から大学への移行
11. 自分さがしの呪縛
12. 問われる働くことの意味
13. 大学から職業への移行とキャリア形成
14. 大学の役割と大学生のあり方
15. まとめ

成績評価方法/Evaluation

  成績は学期末のレポート(70%)、平常点〔コメント、発言、議論への参加など〕(30%)によって、総合的に評価します。

教科書/Textbooks

  教科書は特に指定しません。授業は配布資料をもとに進めます。 

参考書/Reference books

  参考文献等は適宜、教場において紹介します。

その他/Others

  この授業は講義を中心にしますが、履修者のみなさんに可能なかぎり配慮した双方向型の授業を目指しています。みなさんが能動的に参加できるように、ディスカッションやコメント程度の小レポートの提出を求めます。履修者には特に予備知識を必要としませんが、ただ漫然と受動的に講義を聴くのではなく、大学および大学生や教育問題に関心をもち、主体的・積極的に授業に取り組むことを期待します。また、「読む・書く・聴く・話す」といった学習スキルの育成の場としても活用してもらいたいと思います。