卒業論文(卒業学年対象)
杉谷 祐美子 通年科目 8単位
副題/Subtitle
「高等教育研究」
授業の到達目標及びテーマ/Course objectives and Theme
高等教育研究の基礎を学びつつ、卒業論文を作成していきます。
まずは、卒業論文の作成手順について理解するとともに、自分の問題意識から研究課題を明確化できるようにすることが重要です。そして、関連する先行研究を収集・整理して検討したうえで、研究課題を明らかにするために適切な研究方法を選び、卒業論文を執筆する力を身につけることが到達目標です。
講義概要/Course description
同世代の過半数が大学・短大へ進学する現在、日本の高等教育(大学・短大・高等専門学校・専門学校)は様々な課題に直面しています。この転換期にあたり、日本の高等教育制度が抱える基本的構造や問題点、また、社会の変化にともない変容する大学と学生、そしてその現状などについて研究する人を対象とします。
テーマ例を挙げれば、大学生の意識と行動、入学者選抜と高校-大学間の接続関係、大学教育や学生支援の改革動向、職業への移行と大学生のキャリア形成、専門職業教育に対応する大学院の新たな役割、質保証と大学評価、国立大学と私立大学の比較、国立大学の法人化と大学の設置形態、市場原理の導入と大学のマネジメント、高等教育財政と学費の負担、大学と産業界との連携、大学の地域社会への貢献、グローバル化と大学教育の国際的通用性など、大学を中心とした高等教育研究の諸問題に対応します。
なお、大学の問題と関わるのであれば、高等学校など学校教育に関心のある人も歓迎します。具体的な研究テーマは上記の内容に関係すれば、各自の問題関心に沿って、自由に設定してもらってかまいません。
授業計画/Lecture plan
履修者のみなさんが研究室ないし教室に集まり、お互いの研究テーマについて進捗状況の報告と意見交換を行うかたちで進めていきます。履修者の人数によって、進め方や回数は異なりますが、おおよそ以下のように計画しています。実際には、履修者のみなさんと相談しながら、決めていきます。
<前期>
1. オリエンテーション
2. 高等教育研究の主要なトピック
3. 研究課題の確認
4. 論文の書き方
5. 図書館の利用
6. 先行研究の検討(1)
7. 先行研究の検討(2)
8. 先行研究の検討(3)
9. 先行研究の検討(4)
10. 研究課題とアプローチの明確化(1)
11. 研究課題とアプローチの明確化(2)
12. 序論の発表(1)
13. 序論の発表(2)
14. 序論の発表(3)
15. 序論の発表(4)
<後期>
1. オリエンテーション
2. 論文概要の発表(1)
3. 論文概要の発表(2)
4. 調査研究結果の発表(1)
5. 調査研究結果の発表(2)
6. 作成論文の発表(1)
7. 作成論文の発表(2)
8. 作成論文の発表(3)
9. 作成論文の発表(4)
10. 作成論文の発表(5)
11. 作成論文の発表(6)
12. 作成論文の発表(7)
13. 作成論文の発表(8)
14. まとめ
15. 提出論文の発表と質疑応答
成績評価方法/Evaluation
基本的には卒業論文によって評価しますが、論文作成過程の努力についても考慮に入れます。
教科書/Textbooks
教科書は特に指定しません。
参考書/Reference books
参考文献等は適宜、教場において紹介します。
その他/Others
担当者としては、可能なかぎり研究の相談にのるつもりです。ですから、履修者のみなさんには大学や教育問題に関心をもち、主体的・積極的に研究に取り組むことを前提とします。まずは、自分で調べ、自分で考え、自分なりに表現するように努力してください。そして、批評すること、批評されることに徐々に慣れ、研究を深化させていく喜びを味わってもらいたいと思います。