基礎演習 of 青山学院大学 杉谷ゼミナール


In order to design the future,
we study higher education.

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青山学院大学教育人間科学部教育学科 杉谷研究室は、
新たな高等教育のあり方を探求するゼミです。

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基礎演習(1年対象)

杉谷 祐美子 前期開講科目 2単位

副題/Subtitle

「現代の教育問題の考察 -論文作成の基礎と学びの姿勢を身につける-」

授業の到達目標及びテーマ/Course objectives and Theme

  この授業は、学校教育を中心とした、身近で具体的な現代の教育問題を扱いながら、問題を多面的に考察する思考力の育成と「読む・書く・聴く・話す」といった学習スキルの基礎を習得します。
  各自で論文を作成することを通じて、問いを明確にして探究する姿勢、事実に基づいて考察する姿勢、自分の考えを相対化する姿勢といった大学での学びの姿勢を身につけることを到達目標にしています。一見当たり前とみなされている「常識」を問い直し、これまで関心をもっていた対象が少しでも異なって見えてくるようになれば望ましいかぎりです。多面的に教育問題を考察し正確に現状を分析できる力を身につけることが、課題解決能力の一歩になるとともに大学における学修の基盤となります。

講義概要/Course description

  授業では、自ら設定したテーマのもとに進める個人研究を基礎として、適宜、グループワークを織り交ぜながら、教育問題に関する論文を作成していきます。終盤では、各自の研究発表と質疑応答の機会を設けます。
 教育という営みは誰しも経験があるだけに、ついつい自分の経験から問題点や解決策を考えてしまいがちです。しかし、同じ問題でも立場や視点が異なれば、まったく異なったとらえ方ができます。教育問題はそれを取り巻く社会やその構成員と根深く密接に結びついています。それだけに、教育問題の解決策を見出すことは容易ではありません。
  そこで、まずは問題から距離をおいて、それを事実としてありのままに観察し、現状はどうなっているか、あるいはなぜそうなっているのか、またそれは実際に誰にとってどのように問題であるのか、客観的に検討することが必要となります。さらには、自分が問題を「問題(=悪)だ」と認識している、そのものの見方から批判的にとらえなおすように心がけてください。「問題」と指摘されることがそもそも本当に問題(=悪)なのか、またそれはどのように問題であるのか、検証していきましょう。

授業計画/Lecture plan

1. オリエンテーション
2. 図書館の利用
3. 論文の書き方
4. 批判的読み(1)
5. 批判的読み(2)
6. 批判的読み(3)
7. 先行研究の検討(1)
8. 問題の設定
9. 先行研究の検討(2)
10. 主張の確認
11. プレゼンテーションの技法
12. アウトラインの作成
13. アウトラインの発表(1)
14. アウトラインの発表(2)
15. まとめ

成績評価方法/Evaluation

  成績は学期末の論文(60%)、平常点〔課題・議論・発表等の取り組み〕(40%)によって、総合的に評価します。

教科書/Textbooks

  教科書は特に指定しません。授業は配布資料をもとに進めます。

参考書/Reference books

  参考文献等は適宜、教場において紹介します。

その他/Others

  授業とは、教える側と学ぶ側、双方の努力によって成立します。履修者のみなさんにはただ漫然と受動的に授業を聴くのではなく、教育問題に関心をもち、主体的・積極的に授業に取り組むことを期待しています。大学での学びは高校までとは異なります。自分で調べ、自分で考え、自分なりに表現するように努力してください。また、予習や課題提出を怠ることなく、一回一回の授業を大切にしてください。