In order to design the future,
we study higher education.
青山学院大学教育人間科学部教育学科 杉谷研究室は、
新たな高等教育のあり方を探求するゼミです。
日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤C(課題番号23531134:2011-2013年)
→リンク:http://kaken.nii.ac.jp/d/p/23531134.ja.html
【研究の目的】
現在、18歳時点の大学等進学率が50%を超え、大学進学がユニバーサル段階にあるなかで大学数・大学生数が量的に過剰であるという指摘があります(大学過剰論)。他方で、近年、大学ではさまざまな教育改革が取り組まれており、また、大学生は「生徒化」「まじめ化」しているなどの指摘が高等教育関係者・研究者からなされています。しかし、このような「大学生像」の変化や大学教育改革が、社会のなかでどのように認知され、評価されているかは必ずしも明らかではありません。社会における大学生像と大学・大学生に対する社会的期待は、大学と大学生の量的規模の在り方や、それらに対する公的な財政支出に対する社会的支持の前提となるものと考えています。
これらのことから、本研究では、①戦後日本の大学生像の社会的変遷の歴史的検証、②現代日本社会における大学・大学生像の実証的調査、③①②を通じた大学教育機会の適正規模と大学・大学生に対する公財政支出への社会的支持の可能性の検証に取り組んでいます。これら研究を行うことを通じて、現代日本における大学及び大学生の社会的位置づけを検証し、大学教育機会の適正規模と大学・大学生に対する公財政支出への社会的支持の現況と可能性を検討しています。
【研究の内容】
本研究プロジェクトでは、具体的に、次のことに取り組んでいます。
①戦後日本の大学生像の社会的変遷の歴史的検証
1990年代以降の大学・大学生のイメージがどのような言説によって構築され、また、現在にかけて変容してきているか、各種雑誌を手掛かりに分析しています。
②現代日本社会における大学・大学生像の実証的調査
「大学・大学生・大学政策に関する社会調査」として、現代の大学・大学生・大学政策へのイメージや社会的期待等を尋ねる社会調査を、千葉県と佐賀県の2地点を対象に実施を予定しています(2012年秋)。この調査は、(社)中央調査社に委託しています。
③①②を通じた大学教育機会の適正規模と大学・大学生に対する公財政支出への社会的支持の可能性の検証
①と②の研究を進め、その成果を総合することを通じて、大学教育機会の適正規模と大学・大学生に対する公財政支出への社会的支持の可能性を検証します。
【研究組織】
研究代表者 杉谷祐美子 青山学院大学 教育人間科学部・准教授
研究分担者 白川優治 千葉大学普遍教育センター・准教授
研究分担者 小島佐恵子 玉川大学教育学部・准教授
【研究成果】
これまでの研究の成果を下記の機会に公表しました。
(雑誌論文他)
杉谷祐美子「大学に対する社会のまなざし 期待と不信を生む両者の距離」(アルカディア学報524)『教育学術新聞』第2528号、2013年6月26日、p.2
(日本私立大学協会附置私学高等教育研究所HP
http://www.shidaikyo.or.jp/riihe/research/arcadia/0524.html でも公表)
杉谷祐美子・白川優治・小島佐恵子「1990年代以降の雑誌記事にみる大学・大学生問題」
『青山学院大学教育人間科学部紀要』第5号、2014年3月、pp.57-77
(報告書)
杉谷祐美子(研究代表者)『「大学・大学生・大学政策に関するアンケート調査」集計報告書』(平成23‐25年度科学研究費補助金(基盤研究(C))、青山学院大学教育人間科学部教育学科、2014年度3月。
(学会発表)
杉谷祐美子・白川優治・小島佐恵子「雑誌記事にみるユニバーサル化時代の大学・大学生のイメージ(1)」大学教育学会第34回大会、北海道大学、2012年5月26日
小島佐恵子・杉谷祐美子・白川優治「雑誌記事にみるユニバーサル化時代の大学・大学生のイメージ(2)」大学教育学会第34回大会、北海道大学、2012年5月26日
杉谷祐美子・白川優治・小島佐恵子「大学・大学生・大学政策に対する世論の現状分析」日本高等教育学会第16回大会、広島大学、2013年5月25日
(招待講演)
杉谷祐美子「日本社会における大学および大学生の位置づけと社会的期待に関する実証的研究」講師、日本私立大学協会北海道支部第167回事務局長月例研究会、札幌ガーデンパレス、2013年11月26日
【調査結果報告】
青山学院大学 大学・大学生調査研究チームでは、独立行政法人 日本学術振興会 科学研究費助成事業「日本社会における大学及び大学生の位置づけと社会的期待に関する歴史的・実証的研究」の一環として、2012年10月から11月にかけて、「大学・大学生・大学政策に関するアンケート調査」を実施いたしました。
お忙しいなか、ご協力いただきました皆様には、心より感謝申し上げます。
報告書(PDFファイル)は、kekkagaiyou_sugitani_2014.1.pdfで閲覧できます。
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2014-09-19 / Copyright 2012 Sugitani Seminar, Aoyama Gakuin University. All Rights Reserved.